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札幌旅行・3日目

札幌入りしてから3回目の朝。今日は大学以来の親友の一人に会う予定なのです。約束の時刻は午後3時・札幌駅にて。いかんせん時間があるな・・・と昨日同様に朝カフェと洒落込むことに。


こんな時間から街中をぶらついてるのってレアだよな・・・と苦笑しつつ大通り方面へ歩きます。晴れた空から雪が降ってくるのって何だか懐かしい。雨天なら確実に曇り空なのに雪は晴れた日でも降るんだ・・・と初めて思ったのはもう20年以上も前のことです。


雪の降る勢いが増してきたのでおもむろに地下街へ避難。札幌駅まで一直線に続いている地下道を歩くのも以前からの夢でした。ややあって到着したのは目的のカフェがある「シタッテサッポロ」。この商業施設、在住していた頃はまだ無かったんですよね。建物の中央が階段兼ベンチになっている構造が洒落ていますね。


お目当てのカフェに到着するもまだ開店前だったので隣接するコーヒースタンドで一服。偶然にも昨日にもお世話になった丸美珈琲店さんだったのですが市内にあちこち支店がある有名店なのでしょうか?もはやトラベラーでしかない自分にはわからず・・・。


ベンチに座ってコーヒーを飲みつつタブレットをいじっているとフト「他人から見たら今の自分はどんなふうに見えるんだろうか?」とどうせ誰も見てないだろうにちょっと疑問に思ったり。・・・でもこうして旅先で仕事から離れて自分だけの時間を自由に過ごす機会ってまた作りたいな・・・なんて思いました。


今回の札幌旅行で一つだけ残念なのが昨年末に別れた前妻と一緒に来れなかったこと。前妻は大学生の頃の後輩で思えば20年来の付き合いだったんですよね。いつかまた一緒に札幌の街を歩けたら・・・なんて夢見てましたが一緒に暮らしていた時にずっとペットを飼うのが好きだった彼女がまとまった時間を作ることはどのみち難しかったかもしれません。

札幌市内を散策しながら札幌駅に到着。ドーナツみたいなリング状のオブジェのところで待ち合わせです。改札口から来るのかなと思いきや「遅れてスマン!友人に車で送ってもらったんだ」と意外な方向から登場した友人に驚かされつつ合流。もう10年来会ってないのに一瞬で大学生の頃に戻れるから友達って不思議ですよね。

食事を一緒にして「茶でも飲むか?」と向かったのは雪印パーラー。初日にも来ましたがもう一回くらい来たかったんですよね。お互いの近況や昔の話、これからのことなど色々なことを話しました。大学生だった頃に比べて本当にたくさんのことが変化し過ぎ去っていったなぁ・・・と。


フト会話が途切れた瞬間、私は一つの質問を友人にしてみることにしました。ごく最近、気がつかせてもらうことがいくつかあってその中の一つだったのですがこの質問に正解した人が今のところいなかったため友人が何と答えてくれるか興味があったのです。


その質問とは


●祈ることの逆ってなんだと思う?


ということ。


ややあって友人は「・・・呪うことか?」と答えたのです。「正解」だったこともありますが、その瞬間「どうして僕たちが出会って友達になり今でもその関係が続いているのか」ハッキリわかった気がしました。

祈ることも呪うことも人が傷ついたり困窮した時に自身の中にある感情を何かに委ねたくてする行為という点で「人間の弱さ」に由来するものである共通点があります。

しかしながら私は祈りと呪いの間には大きな隔たりを感じていて、願わくば人を呪う人生ではなく人のために祈れる人生でありたいと願っています。口には出しませんでしたがきっと友人も同じなのでしょう。だから僕たちは今でも友達同士でいれるのだと思います。

別れの間際、握手を交わして札幌駅の改札口へ消えていく友人の姿は大学生の頃のそれと全く変わっていませんでした。何度も私の方を振り返って手を振ってくれるところも含めて。「ありがとう。・・・君に出会えた私は幸せ者だ」。


何故かわかりませんでしたが大学生の頃にしばしば感じていた友との解散の瞬間よりも寂しさや喪失感を感じていない自分に気がつきました。

・・・もしかしたら20年前に置き忘れてきた魂の一部のようなものをようやく回収できたのかもしれませんね。きっと次回に札幌の地を踏んだ時はここは心の縁ではなく新しい思い出をくれる場所へと生まれ変わることでしょう。

地下鉄や地下道を使えば雪や氷で覆われた地上を歩くよりもずっと楽にホテルへ戻れましたが、あえて地上を歩きながらホテルへ戻る選択をしました。札幌という第二の故郷に感謝しつつ一歩一歩踏みしめながら・・・。

東急百貨店に差し掛かったとき「ここのポールスミスには随分とお世話になったな・・・」と思い出が蘇りました。多分、今はもう撤退してしまっていてポールスミスの店舗は東急百貨店には無いのですが思い出の確認がてら見に行ってみようかな・・・なんて後ろ髪を引かれる気持ちに。

・・・やめておこう。現在の私の興味は他ブランドや服以外の物に移っており、当時ほどワクワクした気持ちになれないこともあるのですが「過去をどんなに探しても今の自分の喜びにはつながらないよ。君は今の自分を幸せにしてくれることに集中しなさい」と教えられた気がして・・・。


大通り公園に差し掛かったときにイルミネーションの光が目に飛び込んできました。「昔だったら素通りだったけどいっちょ行ってみますか!」そんな気持ちになって初めて間近で見たイルミネーションは札幌の雪景色と相まってとても美しく感じました。


20代の頃に幾度となく行き来したこの交差点も路面電車の線路が増設されたりして変わったよなぁ・・・。今回の札幌旅行は本当に楽しかった。住んでいた頃に全く知らなかったことやしようとも思わなかったことをいくつも楽しめたように思います。


明日の今頃はもう静岡。他にもやりたかった事や訪れたかった場所はあるものの不思議と名残惜しさはあまり感じません。


「次は雪が溶けた時に来たいな」と祈りつつ今の自分の“居場所”へと戻ろうと思います。


(続く)

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